2010年9月20日月曜日

田口ランディ、 学生との対話「水俣から何を学ぶか」を観てきた



水俣・明治大学展のホールプログラムとして、9月18日13時より田口ランディさんの『学生との対話「水俣から何を学ぶか」』というプログラムに撮影補助として参加してきました。



水俣市は熊本県の南西部の海沿いにある市です。僕は熊本出身なのですが、小学生のときから水俣病について学ぶ特別な授業が学校で実施されており、その内容についてはおおよそ知っているいるつもりでしたが、今回語られた橋本彦七氏(故人)のことについては知りませんでした。アセトアルデヒド製造工程の発明者であり、チッソ水俣工場長であり、後に水俣市長にも就任する橋本氏。結局、水俣病の原因がアセトアルデヒド製造工程の副産物であるメチル水銀であるということがわかるのにはかなり時間がかかりましたが、自身が化学者であり、その製造工程の発明者でもある橋本氏は、早い段階でそのことに気づいていたのではないか、というところから話がスタートします。気づいていたが言えなかったのではないか。メチル水銀には毒性があり、それが製造工程で発生することを知っていた。しかしながら彼は元工場長であり、水俣市長でもある。工場・会社、そして地域を「守る」ためにそれを隠蔽したのではないか。そういう彼の心の中の動きや葛藤について、皆で考えてみるという講義になりました。



[録画版]
http://www.ustream.tv/recorded/9700826

録画版は前半のランディさんが話している部分のみです。後半は休憩時間に集まった参加者のアンケート用紙をベースに「対話」を進めます。アンケートの質問内容はこのようなものでした。

1.あなたが、命をかけて守るべきものはなんですか。
2.その「守るべきもの」のためにどのような行動をとりますか。
3.2の行動によってあなたが失うものはなんですか。

「学生との対話」というタイトルだったのですが、会場を見回すとなぜか席の前のほうにパッと見学生っぽくはない妙齢の方々が多数いらっしゃって、そっちの層の人たちが多数を占めていたように感じました。まぁ、それはいいんですが、後半の「対話」の時間になったときにその妙齢の方々が若い学生の意見に対して苦笑・失笑のような高圧的とも感じる笑い声をたてていたのが気になりました。そんな態度で「対話」が成り立つのかなー、と非常に疑問。なんか、「対話」の第一歩目から掛け違えが起きているような気がします。相手の考えをまずは受け止めてみる、という柔軟さがお互いにないと「対話」というのは成立しないのだなと改めて感じました。そして、攻撃としての笑い、というものの存在というものを再認識しました。

奇しくも浮かび上がった対話の問題。
10月21日からは『ダイアローグ研究会 対話ってなんだろう?』というシリーズも明治大学ではじまります。「ダイアローグ=対話」そのものを実践的に考えていくシリーズです。こちらの内容も引き続き追いかけてみようと考えています。