2010年4月12日月曜日

ハゲが帽子をかぶる3つの理由

ハゲが帽子をかぶる。それはハゲを隠すためだと一般に思われているようだ。しかし実際に自分でハゲを体験してみて、事情が単純ではないことに気づいた。それには3つの理由があったのだ。ハゲじゃなくてもわかるようにまとめてみたので読んでみてください。


1.ハゲをかくすため

単に隠すだけではない。ハゲはあなたの想像以上に警戒される。ハゲ具合によっては、普通の人じゃないと思われる場合もある。街を歩いていても、恐い人だと思われる場合がたまにある。例えば小さい子供を連れたお母さんなど。子供がふらーっとこちらに近づいてくるのに気づいて血相変えてダッシュで子供に駆け寄り、ギューッと子供を抱きしめて「すっ、すみません!」と怯えた表情でこちらを見上げてくるお母さんがいる。こちらがいくら子供が好きでもハゲではそれが伝わらない場合があるようだ。たまに「アーティストですか? 絵描きさんとか?」と真顔で言われる場合がある。たとえこちらに絵心がなくてもだ。こっちはファッションで髪ないわけじゃないんですよ。

また、会話の時にこちらの目を見ずにハゲの方に気をとられている人があなたの想像以上にいる。上の方ばっかりチラチラ見てる人がいるわけ。こうなるともうその人は話に集中していないのは見え見えである。そういう人のためにも帽子をかぶってあげる必要があるのだ。あくまで相手のためだ。

2.寒いから

髪があるあなたは知らないと思うが、ハゲてると半端なく頭が寒い。すごい勢いで体温を奪われる。ハゲると、髪の毛がどれだけ防寒に役に立っていたのか思い知らされる。ご存じの通り、暖かい空気は下から上へ移動する。髪は身体から熱を奪われないようにする最後の防波堤だ。しかし、髪がなくなるとどうだろう。熱は頭頂部からどんどんと抜けだしてしまうのである。体温の最後の防波堤が決壊している状態。それがハゲだ。

3.髪型を変える楽しみを奪われているから

ハゲは髪がないからハゲなわけで、当然ながら髪型を変えることはできない。ハゲている状態しかないというわけだ。髪のある人に与えられし「ヘアスタイルを変える」という人生の楽しみが奪われているわけだ。せいぜい帽子を変えて楽しむしかない。帽子をかぶるのは、ハゲに与えられた最後の、ほんのささやかな楽しみなのだ。

わかっていただけただろうか。ハゲはなにも洒落や酔狂で帽子をかぶっているわけではない。また、単にハゲが恥ずかしいからかぶっているというわけでもない。上記のように非常に複雑な事情および場合によっては周りへの配慮、もっといえば、社会全体のトータルライフコストすら考慮した上での帰結なのだ。今後帽子をかぶっているハゲを見たらこのことをほんの少し思い出していただいてやさしい目で見て欲しい。


(深水英一郎)